国立マンション訴訟で勝訴、景観の法的保護を一部認定・・・明和地所
景観を得る権利は、法で保護されるものなのか。東京都国立市に明和地所が建設した高層マンションを巡る「国立マンション問題」は景観権の有無が議論を呼び、世間の注目を集めた。最高裁で明和地所は勝訴を獲得したが、この判決は今後のマンション建設にどのような影響を与えるのだろうか。
明和地所(東京都渋谷区)が東京都国立市に建設した高層マンションにより景観が壊されたとして、周辺住民が同社に対し高層部分の撤去などを求めていた訴訟の上告審で、最高裁は3月、この請求を棄却した。
これにより、住民側の敗訴が確定。01年3月以来争われてきた「国立マンション問題」は、6年の歳月を経て決着をみた。
この問題は、2000年、国立市が「高さ20メートル以下」と定めた建築条例を施行すると同時に、地元住民が東京地裁に「高さ20メートル以上を超える部分の撤去」を求め、建築差し止め仮処分を申請。同年6月、仮処分は却下された。
東京高裁への抗告も同年12月に却下され、その後住民側が訴訟を起こした。
02年12月の1審判決では、住民側の訴えを認め、明和地所に高さ20メートルを超える部分の撤去を命じた。しかし、04年10月の2審ではこの請求を棄却していた。
今回、景観が損なわれると訴えた住民側は敗訴したものの、最高裁は「居住者が景観の恩恵を受ける利益は法的保護に値する」との判断を下した。
そのうえで、問題のマンションは「高さを除けば周囲の景観の調和を乱しているという点は認めがたい」などとし、住民側の上告を棄却するに至った。
「本音を言わせてもらうと、今回の件は住民の過剰反応だと思います。明和地所は法律の範囲内で、企業として利益を追求したわけですから。景観利益が認められたといっても景観は主観です。それが損なわれたかどうかを判断するには、第三者の意見を取り入れる必要があります」(某デベロッパー会社社長)
今回の裁判では景観利益の損失は認められないとされたが、判決で「景観利益は法的に保護される」と明らかにされたことは、今後のマンション開発に少なからずの影響を与えるだろう。(4月10日号)

