不動産管理処分信託の新規受託業務を1年停止・・・新生信託銀行
4月のJPモルガン信託銀行に続いて、新生信託銀行にも不動産流動化・証券化事業に関する行政処分が下された。これにより、同行は、平成18年5月11日から1年間、不動産管理処分信託の新規受託業務を停止することになる。
金融庁の発表によると、新生信託銀行は、不動産を信託財産とする流動化・証券化案件の不動産管理信託業務において、引き受ける不動産の受託審査・査定などを行っていなかった。違法建築物件や収益が過大に設定されている案件もあるという。受益権の他社への譲渡が承諾された物件の中には、一般投資家がリスクを負う可能性が認識されながらも、リートへの譲渡が承諾されたものもあるという。
「認可した業務方法とまったく異なる業務運営が当初から行われていることが明らかになった」(金融庁)
4月には、JPモルガン信託銀行が不動産流動化関連業務で法令違反があったとして行政処分を受けている。金融庁は過熱する不動産ファンド市場に対してコンプライアンス重視の姿勢を強めている。
ファンドに詳しい専門家は、「信託受益権の受託は物量作戦。一つの物件を信託受益権化して証券化すると、30cmくらいの高さの書類の山になる。書類を管理する人手が必要ですが、新生信託銀行は、受託件数の割にはそれほど人数がいるように見えなかったので、その点でも無理があったのでは」と話す。
不動産鑑定士の平澤春樹氏は一連の行政処分について、「新生信託銀行の件については、詳しい内容が分からないので明言は避けますが、JPモルガン信託の件については不動産鑑定書にも問題があったのではと言われています。われわれ不動産鑑定士が不正に加担していると捉えられかねないので、声明を出すなり何なり対応をしなければならないでしょう」と話している。(5月8日号)

