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二級降格者続出となるか、建築士制度改定の波紋

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 国土交通省は6月26日、耐震偽装事件を受けて法制度の改正を議論している社会資本整備審議会(国交相の諮問機関)の基本制度部会に、建築士制度見直しに関する素案を提示した。

 一級建築士しか設計できない建物の範囲を、現在の「高さ13メートル超または延べ床面積300平方メートル超」から「高さ20メートル超」まで条件を引き上げる。

 また、構造と設備の専門資格制度を創設し、専門資格者は建築士の指示で構造計算や設備設計図の作製を行い、設計図書に記名押印して責任を明確化する。7月20日に基本制度部会がまとめる答申案に盛り込み、今後の制度改正に生かす。

 耐震偽装の再発を防ぐための制度改正だが、現場の建築士はどう考えているのだろうか。

 「今回の耐震偽装では確かに建築士の責任は大きかったと思います。しかし、それよりも建築検査がその偽装を見逃していたことの方が問題です。その仕組みを変えないで建築士の基準だけ変えるというのはあまり意味がないのではないでしょうか」

 こうギバースゲイン(名古屋市中村区)の加藤英輝一級建築士は話す。

 「建築士の中でも戸建が得意な者もいれば、マンションが得意な者もいる。それを同じ建築士という資格だけで設計を行えるようにしているのは的確ではありません。建築士の中でもそれぞれの適性に合わせた第二の基準を設けるなど、新たな取り組みが必要です」

 今回の基準見直しの内容はまだ定まったわけではない。しかし今後の方向性に疑問を持つ建築士も多いようだ。

 
 また、国土交通省はすでに資格を取得している建築士が新制度に移行する場合、講習や修了考査を実施して、適正な能力を持つことを確認した上で新たな免許を与える方針だ。不合格となった場合の資格をどうするかは今後の検討で詰めるという。

 「建築士といっても、その内容もレベルも仕事に対する考え方も違いますので、どのようにして合格、不合格を判断するのか疑問です。単純にペーパー試験を行うだけでは、私のように歳をとった者は、振るい落とされてしまうかもしれません。これまでの経験や実績が加味されるものなのか、判断基準は一筋縄ではいかないと思いますよ」(飯島建築事務所・飯嶋俊比古一級建築士)

 経験と実績を持つ建築士が一律試験で資格を失われるようなことがあれば本末転倒だ。降格基準を定める国土交通省には慎重な判断が求められる。

 「どのような基準になっても一波乱あると思いますよ」(飯嶋建築士)

 耐震偽装問題再発を防ぐための制度改定が新たな問題を招きかねない。今後発表される国土交通省の新制度基準の発表に注目が集まっている。(7月10日号)


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