06年上半期、海外からの資金流入4700億円超
国際的な不動産投資の流れがますます活発になっている。ジョーンズラングラサール(東京都千代田区)がまとめたレポートによると、2006年1月〜6月期の全世界における直接不動産投資は、前年同期比30%増の2900億米ドル(約34兆円)となった。
急成長中のマンションデベロッパー、エスグラントコーポレーション(東京都目黒区)は、今年5月、アメリカのD.B.Zwrin&Co.'L.P.ファンドとの共同出資により、新たに不動産ファンドを設立。マンションデベをはじめ、外国からの資金を元に、ファンドを組成する動きが現在も続いている。
ジョーンズラングラサールが発表した「グローバル・リアルエステートキャピタル――動く巨大資金、進むグローバリゼーション」は、日本の不動産ファンドブームの立役者、外国資本の日本への流入が引き続き活発であることを示している。
同レポートによると、アジア・パシフィック地域における不動産取引全体の約51%が日本に集中し、外国から日本の不動産に投資された額は40億ドル超(約4720億円以上)に上るという。しかも06年上半期だけで、すでに05年の総取引額に近いレベルに達している。
その理由を同レポートでは「継続して経済成長が見込まれること、低金利、不動産のデフレが終息したことで国内外の投資家が戻ってきた」としている。
おそらく、日本の不動産への投資がこれだけ加熱している背景には、不動産投資に関する法整備、中国等他のアジア諸国に比べて政治リスクが相対的に低く、経済情勢も安定していること、オーストラリア、ニュージーランドに比べて購入可能な売り物件が豊富にあることなどが背景にある。
これらの投資資金の担い手の主役は、グローバルファンドと米国投資家だ。
グローバルファンドとは、複数の地域から集めた資本を元に、投資銀行、非公開投資会社、専門のファンドマネージャーによって運用されている。これらの資金は、より高い収益、あるいは安定した収益を得られる不動産を求めて、軽々と国境を越えて移動する。
まさに、不動産にもグローバリゼーションの時代が到来したといっても過言ではない。
日本に対して積極的に投資を続けている外資系私募不動産ファンド運用会社、マッコーリー・グローバル・プロパティ・アドバイザーズ(本社:バミューダ、日本事務所:東京都千代田区)は、今年、高級賃貸マンションのブランドを立ち上げ、全国展開を開始した。
Jリートでは、エルシーピー投資法人に米系投資会社の資本が入っている。また、オーストラリアに上場するLPT(日本のリートにあたる)バブコック・アンド・ブラウンも、関東圏を中心にオフィスビル、商業施設、住宅などの取得を進めている。
海外資金の流入は都心だけに限らない。地方都市への投資も活発だ。北海道ニセコがオーストラリア人観光客の人気を得るなど、特殊な理由により資金が活発化している例もある。(10月23日号)

