エレベーター部品強度不足・・・フジテック
準大手昇降機メーカーのフジテック(滋賀県大津市)は「一部のエレベーターにおいて、部品に当社の規定とは異なる強度の低い鋼材を使用していることが判明した。補強対策が必要」と発表した。今年9月末までに補強・交換のための改修工事を行うことにした。 同社によれば、今回部品の強度不足が判明したのは「レールブラケット」と呼ばれる部品。
「建物に付いているエレベーターかご昇降のためのレールを補強するための金具です。ここの強度が不足していても、日常のエレベーター運行に支障はありませんが、大きな地震などが発生するとレールがゆがむ可能性があります」(同社)
レールブラケットに強度不足の鋼材が使用されていた理由については、同社取引業者が納品した鋼材に、同社の指定と異なる鋼材が混在していた、と同社では説明する。
当該鋼材納品期間に製造された全商品に対して検証を行ったところ、大半はJIS規格は満たしており、安全上問題はなかったが、560台については補強対策が必要と判断された。
「当該エレベーターについては営業社員が納入先へ連絡し、改修等の工事を行います」(同社)という。ちなみに同社によれば、問題になったエレベーターはマンションなどへの納入ケースも少なくないという。また、今回の不備の原因についてはフジテック側と鋼材を納入した事業者側との主張がくい違っていることから、第三者による調査を行っている。今月末までには国土交通省に調査結果が報告される予定だ。
さて、今回の一件に限らず、最近では昇降機の信頼性を損うような事故が多発している。
今年4月に東京都港区の六本木ヒルズで発生した火災も、エレベーターの昇降に用いるワイヤが古くなり、一部がほつれて昇降時に他の部品とこすれ火花が発生したことが原因とされている。
このエレベーターの製造・保守を受け請った日本オーチス・エレベーター(東京都中央区)は「日常の管理をしっかり行っていれば防止できた」と全面的に謝罪している。また、昨年7月東京都港区で男子高校生が死亡した事故も、真相はまだ明らかにされていないが、エレベーターの製造段階、あるいはその後の保守段階で何らかの不備があったと見られている。(7月23日号)

