エレベーターにリコール制度導入・・・国土交通省
港区の公営住宅で起きたシンドラー社製エレベーターでの死亡事故は日本全国に衝撃をもたらした。エレベーターという生活に欠かせない道具が凶器になるというこの事件を受け、国土交通省の建築物等事故・災害対策部会は再発防止策を検討していた。そして8月22日、エレベーターの心臓部である運転制御装置などに欠陥があった場合、行政への届け出や無償交換などを義務付ける自動車並みのリコール制度を創設する方針を明らかにした。
「リコール制度の導入によってエレベーターの欠陥による事故は減少すると思います。製品に不備があった場合に行政処分が下るという強制力が生じることでメーカーも製品の監督を厳しくすると思います。リコール制度によって不備が認められた製品は、国土交通省により公表されるため信用も著しく落とすことになります。リコール制度の導入は家主、入居者、建設会社にとっていい話だと思います」(水津正臣弁護士)
国交相の諮問機関である建築物等事故・災害対策部会の「エレベーターワーキングチーム」の会合が同日開かれ、中間報告として了承された。国交省では今後、新制度創設のため建築基準法の改正などを目指す。
港区の公営住宅で起きた事故を巡っては、事故機の製造元「シンドラーエレベータ」が1990年代前半に設置した複数の機種でプログラムの欠陥があり、「扉が開いたまま昇降する」というトラブルが起きていたことが判明したが、こうした情報は一切公表されず、交換漏れなどの事態も招いていた。
また、こうした欠陥や劣化に伴う誤作動などに対しては、シンドラー社に限らず各社とも、水面下で対応していたことが判明。このため国交省では、エレベーターの安全確保のためには欠陥情報の集約と、迅速な改修のための仕組み作りが必要だと判断した。
このほか中間報告には、ドアが開いた状態で上昇するようなトラブルのないよう、安全装置の二重設置を義務化することや安全制御プログラム、電磁ブレーキなどの安全性を、第三者機関が審査する新たな認証システムの導入も盛り込まれた。(9月4日号)

