12月14日、与党による税制改正大綱が発表された。今回の大綱で際立つのは減価償却制度の見直しや証券税制の優遇措置の1年延長など企業優遇減税だ。その減税総額は約1兆円にも上るという。一般消費者最大の関心事である消費税の増税については「平成19年度をめどに抜本的改革に取り組む」との方針を打ち出すにとどまった。
今回の改正が住宅市場に及ぼす影響はどうか。
大綱の中にはバリアフリー改修促進税制の新設、住宅ローン減税の期間延長などが盛り込まれている。バリアフリー改修促進税制では、段差解消、手すり設置、階段の勾配緩和などの工事を行った場合に、所得税および固定資産税が減額される。
住宅ローン減税の確保については07年及び08年の入居者を対象に、控除期間を15年に延長し、現行制度との選択が可能になる。控除額は最大で200万円になる。
これまで弊紙をはじめ各メディアでは消費税と併せ、相続税の基礎控除額引き下げについても大々的に報じてきたが、今回の大綱ではこれについてもほとんど触れられることはなかった。そもそもこの大綱、「増税」の色合いが国民の関心度の高さに比べて薄すぎる。消費税しかり、相続税しかりだ。
背景には来年の参院選を見据えた政府の思惑が見え隠れする。「与党にとっては厳しい戦いになる」との見通しが強い来夏の国政選挙を前に、消費税増税、相続税の課税対象層の拡大論議はマイナス要因になると判断したことは想像に難くない。今回の大綱を「企業におもねるだけの増税隠し」と揶揄する声も多く聞こえる。
注意しなければならないのは、増税は隠されただけであって決してなくなってはいないということ。参院選後の政府が打ち出す方針に慌てふためくような資産運用をしてはならない。(12月25日号)