もともとは全国の設計事務所からの依頼で、ゼネコン向けに設備や建材の輸入・開発などを行っていました。しかし、98〜99年に訪れたゼネコン不況により、相手先の与信次第で仕事を受けられないケースが出始めたため、ゼネコンに依存する業態からの脱却を図る必要性を感じました。そんな際に、たまたまあるきっかけからインターネットのもつポテンシャルの高さを知り、2000年3月にインターネット販売事業をスタートさせました。現在利用者は2万7000人、そのうち個人が3割、設計事務所や工務店などのプロが7割となっています。
きっかけとなったのは倉庫の在庫の処分でした。工事の瑕疵担保期間として2年間は、納入した商品を交換用にもストックしておかなければならず、神戸にある倉庫で大量のストックを抱えていました。期間が終了すると保管していた商品は捨てるか、もしくは建売業者に無料で提供していました。しかしある時、高級マンション用にストックしていたイタリア製の建具を、担保期間終了後に在庫処分として定価15万円のところ1万円でホームページに掲載したところ、大反響を得ました。これでインターネット販売の可能性を見出し、この事業に本格的に着手することになりました。
こうした流通の仕組みはそれまでの建設業界にありませんでした。設計事務所、下請けなどいくつもの業者が介在している複雑な建設業界に一石を投じたわけですから、しばらくは心無い嫌がらせにも悩まされました。しかし、当社のシステムが評価されるようになると、嫌がらせもなくなり、今では設計事務所から工務店、エンドユーザーまで幅広い層の方々と取引しています。
インターネットを通じて直接商品を販売することで購入者はさまざまなメリットを得られます。まずは価格。そもそもそれまでの工事というのは、一式でいくらという表記はされていても、その中で使われている商材がそれぞれいくらなのかが不明でした。おまけにいくつもの業者が入る間に値段は上がり、消費者の手元に届く際にはかなりの金額になっていました。当社ではインターネット上で値段を公開したうえで直接販売するため、この問題が解消され取引の透明性が格段に上がります。2年前、悪徳リフォーム業者が逮捕された際に、適正価格でネット販売を行っているとメディアに取り上げられたことがありましたが、その後ホームページのアクセスが急増しました。それだけ価格の透明性を求めている消費者が多いのだと実感しました。また、商品販売と工事が分離されるため、責任の所在も明らかになります。
事業を始めた当初は3アイテムしかありませんでした。しかし、インターネットは情報が命です。いつ来ても同じ商品しかなければすぐに飽きられてしまします。商品の充実を図るため海外にもしばしば足を運び、商材を仕入れ、また、さまざまなメーカー・業者と組んで商品開発もしてきました。今では約3000のアイテムを取り揃えるまでになりました。
賃貸住宅向けにもさまざまな商材を揃えています。賃貸住宅では入居者のニーズを満たすためデザイン性に優れ、かつ高級感のある商材を採用しようという傾向にありますが、実際問題、収益とのバランスを考えるとこうした商材は簡単には使えません。しかし、当社ではこうした商材を低価格で提供しているので、賃貸住宅にも安心して使うことができます。
賃貸住宅向けに開発した商品も多くあります。例えば昨年秋に発表した「コンパクトキッチン430」はデザイン性・機能性・収納力を兼ね備えたステンレス製のキッチンで、コンパクトなそのフォルムから、ワンルームマンションにも適した商品です。本体価格15万円代〜と価格面も賃貸向けです。
またこの他にも賃貸にターゲットを絞った商材を開発中で、8月に行われる「賃貸住宅フェア2008 in 東京」で発表する予定です。(7月28日号)