敷金
敷金(しききん)は、法律用語で、不動産特に家屋の賃貸借の際、賃料その他賃貸借契約上の債務を担保する目的で賃借人が賃貸人に交付する停止条件付返還債務を伴う金銭である。権利金と異なって、賃貸借契約が終了する場合には、賃借人に債務不履行がない限り返還される。ただし、関西地方以西の西日本では権利金(礼金)の性質を持ち、一部(多くは賃料の1ヶ月分)が返還されないことが多い。これを敷引と呼ぶ。
承継
賃貸借期間中に賃貸人が交代したとき、敷金に関する権利義務は新賃貸人に承継されるか。
目的物の譲渡による場合 - 承継される。借地借家法により借家権を新所有者に対抗できるため(最判昭和44年7月17日民集23巻8号1610頁)。
賃貸借に優先する抵当権の実行としての競売による場合 - 承継されない。借家権を対抗できないため。なお6か月間の明渡猶予制度(民法395条)に留意する。
平成15年の民法改正(平15法134)により短期賃貸借制度が廃止され、上記の通りとなった。本改正により創設された抵当権者の同意登記制度(民法387条)を利用することにより、抵当権設定登記後の不動産の賃貸借についても対抗力を付与することが可能となる。
賃借人の原状回復義務との関係
冒頭に記載の通り敷金は賃貸借終了時に返還されるべきものであるが、しばしば、賃借人が賃借物件の補修費用を負担すべきであるなどとして賃貸人が敷金の全部または一部を返還しないことがある。
このような事例において、最高裁は (最二小判平成17年12月16日判例時報1921号61頁) は、賃借物件の損耗の発生は、賃貸借という契約の本質上当然に予定されているものであるとした上で、通常損耗を賃借人の負担とする特約について成立要件を厳しく設定し、未返還分の敷金を返還することを命じている。
なお、下級審で消費者契約法により同様の特約の成立を否定した事例も存在する(国民生活センターによる解説)。
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