卓袱台

卓袱台(ちゃぶだい)は、日本でかつて用いられていたテーブルの一種。

卓袱台(ちゃぶだい)は、大正から戦中を経て、昭和40年代にかけて、日本の家庭で一般に用いられた四脚で折りたたみのできる木製の食卓(テーブル)。食卓としての利用が基本の用途だが、机や作業台としても利用される汎用の座卓である。 楕円形や四角形の物もあるが、一般的には円形をしている。

日本家屋は部屋の用途が特定されていないので、日中に居間として利用された部屋を夜間には寝室として利用する場合も多い。このため、寝具や家具は設置や収納が容易に出来るように工夫が施されている。座卓が折り畳み式になっているのもこのためで、折りたたみの出来ない座卓は卓袱台とは呼ばない。

小さな卓袱台を家族で囲んで食事をし、子供の勉強机として利用され、母親が裁縫をする台としても使われた。常に家庭の中心にあったので、家族団らんの象徴でもある。

卓袱(ちゃぶ)とは、中国で用いられる「テーブル掛け」のことで、ここから転じて日本では「食事」の意味で用いられる。現在はほとんど使われる事のない言葉だが、卓袱台のほかに「かめちゃぶ」(牛丼)という表現がある。

なお、卓袱台以前、つまり近世から明治にかけて普通に用いられていた食卓は箱膳(銘々膳)であった。現在でも箸や茶碗が属人器であるように、かつては食卓も属人器だったのである。

卓袱台返し(ちゃぶだいがえし)とは、文字通り卓袱台をひっくり返す事である。もちろんただ単に卓をひっくり返すのではなく、基本的には食事の最中、卓上に食器類や食べ物が乗っている状態でこれらをまとめてひっくり返す事を指すものであり、それはつまりこれを行う者の、その時の状況を無視して余りある程の問答無用の怒りの感情を表している。

卓袱台返しは大抵の場合、掌を上に向けた両手で卓の端を掴み、そのまま真上に放り投げるようにして行われる。この為に、卓上にある食器その他は派手に宙を舞うものの、空中で半回転して裏向きになった卓袱台の下敷きになるように押しつぶされ、あまり遠くに飛ばないことが多い。

TVアニメ『巨人の星』において、主人公の父親で極端なスパルタ教育で知られる星一徹がエンドロールで卓袱台をひっくり返すシーンが毎回繰り返して放映されていたことから一徹=「卓袱台返し」というイメージが一般化した。しかし実際に本編中では全話のなかで一度しか卓袱台をひっくり返すシーンはない(しかも実際は飛雄馬の言動に激怒した一徹が卓袱台を押しのけて飛雄馬を殴りつけるシーンであり、結果的に卓袱台はひっくり返っているものの、その様相はいわゆる「卓袱台返し」ではない)。

この卓袱台返しのある種理不尽な様子から、トップが企画をご破算にしてやり直させることを「卓袱台返し」と称することがある。例えば任天堂のゲームクリエイター・宮本茂は、ゲーム作りへのこだわりからほぼ出来上がったものを大幅にやり直させることがしばしばあり、自らそれを『巨人の星』のそれにちなんで「ちゃぶ台返し」と呼んでいる。

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